すっかりごぶさたしております。浅見さんに怒られそうです。
久しぶりにマンションの話題を。大京の「ライオンズタワー月島」を見学しました。超高層としては、日本初の環境共生住宅認定マンションです。
月島周辺は、下町風情を残した街並みをさえぎるように、ニョッキニョッキとタワーマンションが立ち並び、ある種異様な光景です。そんなわけで、地域住民のタワーマンションに対するアレルギーは相当なもので、大京も計画説明会で猛攻撃を食らったそうです。
そういった経緯から、周辺環境・地域住民との親和をいかにしてなすべきかを念頭において、環境共生の手法を取り入れることにしたものです。そして、最終的に地元町内会から感謝状をもらうまでになったのです。
まず、建設地により寸断されていた、周辺の「路地」を、建物内部まで通り抜けできるようにし、再生しています。さらに、緑の少ないこのエリアでは異例ともいえる、1万5000本近い植樹を行います。敷地内は緑樹を縫うように走る路地のふじぶしに7つの広場を設け、住民に開放します。
タワーマンションの圧迫感を無くすことにも腐心しています。アイレベルの高さである7メートルを吹き抜けとし、ガラスウォールで覆っています。ですから、周辺住民は植樹された木々とエントランス周辺のガラスだけしか目に入ってきません。タワー自体もガラス面積を増やし、夜は「行灯」のように見せる工夫もしています。住民の願いを汲み、共用部に町内会施設まで設けています。
建物グレードは高く、SI対応で永住も可能です。ただ、内装等は標準的。心配なのは、開発計画が長期化(住民説明、環境共生認定取得のため)の影響から値付けを高くせざるを得なかった点。周辺の「売れ残りマンション」とは一線を画すプランですが、価格は2割ほど高い(坪280万円、標準グレードは少し安くなると思います)なので。。。
しかし、ここまでやれば売れるという見本のようなマンションです。大京はUFJがらみでいろいろ噂も立っていますが、いい物件を供給する姿勢を崩さず頑張って欲しいものです。